2007年06月08日

コーチングの次なるステップ、 研修と実践を結ぶ「アクションラーニング」とは(1)

■「コーチング」という言葉は既にご存知の方(また実践されている方)も多いかと存じます。コーチングは、主に傾聴や質問を使って1対1の対話を通して、相手(部下)の考えを引き出し、課題解決や目標達成、行動改善をサポートしメンバーを育成するリーダーのスキルです。(と簡潔にまとめさせていただきました)

■「アクションラーニング」とは『現実問題を4〜8名からなるチームで、質問中心のミーティングにより、本質的な問題を共有化し、解決のための行動計画をつくり、実施(行動)し、その結果を検証することで確実に問題を解決し、同時にふり返りを行うことにより個人及びチームの学習(能力開発)を推進するプロセス』です。このミーティングセッションと課題解決の全体プログラムをマネジメントしていく役割が「アクションラーニングコーチ」です。
(さらに詳細についてはNPO日本アクションラーニング協会

■「アクションラーニング」は、コーチング・OJTなどの個別指導や会議、これまでの問題解決研修とは次のような違いがあります。
●個人が一人で悩む問題が
⇒○問題抱え込みから、チーム全体の問題として共有化される

●1対1の相談(コーチング)が
⇒○多様な視点で課題解決を促進するシナジー相談(文殊の知恵)に

●お通夜のような会議が
⇒○全員の意見・アイデアが引き出される会議に

●自己主張ばかりの空中戦ミーティングが
⇒○限られた視点・部分ではなく全体最適思考と本質の追求が進むミーティングへ

●自己の立場に固執した主張し合いが
⇒○傾聴・共感により共通認識ができる話合いへ

(他の手法との違いはこちらもご参照))

■アクションラーニング(AL)のプロセス(ミーティング)の具体的な内容をここで述べます。ALのプロセスにおけるコミュニケーションは「質問」中心です。言い換えると質問から始めることです。質問には次のような効用があります。

●多様な質問することで、問題が明確になります。(参加メンバーがいろいろな視点で質問をすると、問題の姿が見えてきます)

●質問に答えるやり取りは「傾聴」の姿勢をつくります。(一方的な説明は時に聞く気をなくすが、自分の質問への回答には関心を引きます。また他者の面白い質問とその回答にも耳を傾けます)

●質問で、少しずつ実態や本質が見えてくると関心・共感を呼び起こし、グループの団結が高まります。

●質問をする内に、質問をした人、された人、聞いていた人、それぞれにふり返りが起こり、気づきが生まれやすくなります。

●素直な質問や新鮮な質問(素人質問)は、ブレークスルー(枠を打ち破った考え方、解決)を引き起こします。

「質問」の効用はまだまだあります。

※次回『コーチングの次なるステップ、研修と実践を結ぶ「アクションラーニング」とは(2)』に続く
posted by インタフェース at 18:50| ☀ | TrackBack(0) | 人材・組織開発手法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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