2021年09月02日

『何のために人材育成をするのか?〜3つの視点から考える』

今回のテーマは、
『何のために人材育成をするのか?〜3つの視点から考える』です。


皆さんの会社は、
「何のために社員研修等の人材育成に取り組んでいるのですか?」(人材育成の目的を問う質問)
そして
「その目的の具体的なゴール目指して、どの位進んでいますか?何が進みましたか?」
(目標の達成度や成果を問う質問)
この2つの質問の答えが明確ですか?


人材育成を全くしていない、という会社はない、と私は思っています。
会社に新しく入ったら仕事を教える=人材育成なのですから。

しかし、ただ担当している仕事を覚えてもらうだけではなく、「いい仕事をする人」になってもらう、また会社という組織自体がさらに発展するためには、さらに「いい仕事ができる組織・職場」になることが必要となります。

それでは、「いい仕事ができる人」、「いい仕事ができる組織・職場づくり」のための人材育成(組織開発も含めて)に取り組むとします。

その「いい仕事」「いい仕事ができる組織・職場」とは何か、その目指す姿やそれが出来ているかどうかのモノサシをハッキリと持っていますか?というのが今回のお話です。


私は人材育成の目的は、
人材育成の目的は、「自社にとって『いい仕事ができる人と組織をつくる』ためにすること」、と考えます。

この”自社にとって”というところが一番のキーポイントです。


それが実現できる人材育成(と組織開発)なるためには、次の3つの視点から考えることが大切です。

1つめは、企業理念、経営ビジョンの視点
2つめは、いい仕事とマネジメントの基準の視点
3つめは、組織の課題解決の視点 です。


1つめの「企業理念」は、会社によっては経営理念、社是・社訓として表現されています。
さらに「経営ビジョン」は、会社が目指す将来の姿又は長期的な目的・目標等具体的な姿のことです。

「企業理念」は抽象的な表現となっていることが多いのですが、社員が仕事の中で具体的な行動として活かして初めて意味のあるものになります。

それを実践できる社員として「目指す人材像」を明確化することが必要です。

そのために「行動指針」(又はクレド『信条』)として10〜15項目程度で社員が実行にすぐ移せる具体的な行動内容として作成することも効果的です。


2つめの「いい仕事とマネジメントの基準」づくりには、まず現状把握することから始めます。

現在やっている仕事内容、役割分担、仕事の進め方等の現状を文書や図示で客観的に見える形にして整理し、把握し、そこから共通の基準をつくります。

実は、これらは人事制度の「職能要件書」「職能等級基準」等のことであり、これらが実際行っている内容を十分に把握したものであれば、参考資料の一つです。

属人的、経験的な業務の進め方を組織的役割に修正し共有化することです。そのために自社のいい仕事の育成評価項目を明確にするのです。

その基準が「人事評価項目」に反映されて、単なる処遇のための評価ではなく、社員各人の能力向上、意欲向上につながる仕組みになっていることが、いい仕事ができる人材育成につながる大きなポイントです。


3つめの「組織の課題解決」とは、人材や人間関係、組織風土に関して今後解決したい課題を明確にして会社として解決に取り組むことです。

組織診断・サーベイを実施して検討することも有効な方法の一つです。

この視点では、中長期的視点と短期の視点の両面で人材・組織の課題解決に役立つ人材育成を作成する基本的な考え方を確立するためにも重要です。

具体的には、「中長期で会社の求める人材能力の確保」、「社員の定着の問題」、「業務分担の偏り」、「社員の意欲低下」、「ハラスメント」等の本質を把握した課題解決に取り組むことです。


キーワードは、
“目指す人材像”、”育成評価項目”、”組織の課題解決”
の3つです。

今後は、この3つの視点と3つのキーワードで、人材育成の取り組みをさらに具体的に考えていきます。




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posted by インタフェース at 00:00| 北海道 ☔| 人材・組織開発手法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする