2021年11月24日

『人材採用から育成・評価迄一貫して考える』



前回(10月4日)『3つの視点から考える2、人事評価制度は人材育成制度!』でした。

今回のテーマは、『人材採用から育成・評価迄一貫して考える』(特に中途採用者)です。

今年度は、「人事評価研修」が例年以上に多く、また「人事評価コンサルティング」を3件進めています(内2件はオンラインでのサポートです)。

そしてこの10月、11月に3回のオンラインで「採用基準と採用方法作成ワークショップ」を進行中です。


今回は、人事評価項目(評価基準)の枠組みを活用した「採用基準」の作成方法(そのエッセンス)の紹介です。

私の人事制度作成コンサルティングはコンサルタント主導で作成するのではなく、その企業の実際の業務内容に詳しい経営幹部・管理監督者を参加メンバーにしたワークショップ方式で進めて行きます。

これは、人事評価を評価時点での評価、処遇(昇進・昇格・昇給・賞与)のためだけの評価ではなく、「人材育成といい仕事ができる」ための評価と考えているからです。

その上で適切に評価した結果を人事処遇にも反映させるのです。

人事評価基準は、各職種(又は部署)ごとに「成果」「重要業務(その実践と習得度合)」「能力」「態度」の4区分で各々評価要素を3つ〜7つの数で構成し、さらにその各要素で最低でも3〜7項目程度の評価の具体的内容項目を作成します。


各4区分の定義は(簡略して述べます)、以下の通りです。

「成果」:担当する職務及び役割において求められる業績、成果(経営・事業としての業績指標)。定量的成果(数値化・指標化できるもの)と定性的成果(仕事の質や効果性の向上、等)に分けられます。
「重要業務」:「成果」を上げるために重要な業務の内容を具体的に作成します。成果に直結する業務ノウハウや実際にその業務が高いレベルで遂行できている内容です。
「能力」:@「成果」を上げるために、A「重要業務」をこなすために必要な「知識・スキル(技能)」の内容です。
「態度」:「成果」を上げることにつながる、仕事への取り組み姿勢や意欲の面での行動傾向・特徴。

以上をワークショップに参加する幹部・管理監督職が自らの経験や成果を出している人とそうでない人との違い(行動内容や特性)から作成していきます。


以上の人事評価の4つの枠組みを基して、現在進行中の「採用基準と採用方法作成ワークショップ」では、中途採用者の選考基準を以下の4区分で作成します。

「重要業務経験」(応募者・候補者の業務経験):採用する職種(業務)に直結するこれまでの業務経験、また類似する業務経験です。
「能力」:@採用する職種で「成果」を上げるために、Aその職種の「重要業務」をこなすために必要な「知識・スキル(技能)」の内容です。
「態度」:「成果」を上げることにつながる、仕事への取り組み姿勢や意欲の面での行動傾向・特徴のことです。
「志向(価値観)」:担当職務の「いい仕事」の内容に適合する、本人が持っている仕事への方向性、価値観です。

採用段階でその職種で成果を上げている人と同じような「能力」、「態度」、そして自社で活躍する人となるための、業界や組織風土における仕事の進め方や今後の方向性と合致する「志向(価値観)」を持っているかどうかを評価するのです。


多くの幹部管理者が持つ不満の一つが、実際の業務と結びついていない内容の人事評価項目採用した人が現実の職務に適合した人材ではない、等です。

それは、人事評価の場合には、理論的また理屈だけで作成していて組織の実状とマッチしてないこと、人材採用では、採用選考をして決定する人(多くの場合、人事担当者や決定権者の社長、幹部等が、採用する職種、業務を必ずしも熟知していない人、又は本人の経験や価値基準でのみ採る人)の基準が実際に採用して活躍できる人材基準とマッチしていないことです。

実際に人事評価をし、育成をする人、採用した人を活用するのは管理監督者なのです。
その声(経験、知見)を活かさない手はないのです。

自社で実際にマネジメントをする人(各部門・各職種のエキスパートであり、実際に育成をしている人)が参画して人事評価基準、採用基準を作ることの意味と重要性を理解していただけましたでしょうか。
※そのマネジメントをする人(管理監督者)の評価育成基準は、社長以下役員、幹部が作成するのです。

もちろん、コンサルタントの立場で、幹部管理者の方々の経験値や実感値を言語化するサポートをしたり、実際の能力をデータ分析したりするサポートや客観的な視点を持つ人事総務のスタッフとの共同作業として進めて行きます。


このようにしてつくられた「人材採用基準・項目/採用方法」そして「人事評価(育成)基準・項目」は、会社の求める人材像を具現化するものとなります

このような「人材採用」「人事評価」と連動したOJT(職場内指導育成)そしてOffJT(テーマ別集合研修)は、バラバラの思いつきの研修から、社員自身も目指すステップが明確な中長期的人材育成へと展開することが出来るのです。




【最後にお知らせ】
私(潟Cンタフェース代表 五十嵐仁)の著書
リーダー必須の職場コミュニケーション61のスキル」(セルバ出版)、2018年4月に発売され、お陰様で一昨年1月末に増刷、昨年1月10日に第三刷、そして今年2月1日で第四刷となりました。全国大手書店、アマゾン他のネット書店で販売しております。

購入(左クリックする)前に、こちら「リーダー必須の職場コミュニケーション61のスキルの読み方」をご覧の上、ぜひリーダーとしての「いい仕事」をするためのコミュニケーションのヒントを手にしていただければ嬉しいです。



posted by インタフェース at 00:00| 北海道 ☔| 人材・組織開発手法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする